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ブリューゲル【バベルの塔】

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アングルの官能美で書いた知り合いが、欧州旅行の土産をくれた。それはこの絵のポスター。
バベルの塔 油彩 114×115cm 1563年 ウィーン美術史美術館
バベルの塔 I

実際にウィーンの美術館を訪れた際に、買ってきてくれた。世の中に数多くある絵画の中で、私が最も好きな作品かもしれない。細部まで精密に描かれた、天空の頂。作者はピーテル・ブリューゲル(Pieter Brueghel the Elder 1525?-1569)。ネーデルランド(現在のオランダ・ベルギー地域)出身の画家だが、生まれた年や地域はハッキリとはわかっていない。彼が題材として取り上げたバベルの塔とは、旧約聖書の創世記第11章に由来する伝説である。
かつて世界で話される言語は1つだった。(ノアの大洪水後)繁栄した王国の人々は、天まで届く塔を建てようとした。その行いを傲慢と感じた神は、人々に違う言葉を話させるようにした。混乱に陥った人間は争いを起こすようになり、やがて世界各地に散っていった。(※神の怒りで塔が崩された、という記述は創世記にはない)
……と、いう話。「人間の技術がどれだけ発展しても実現不可能なものがある。自分の力を過信してはいけない」という教訓として伝えられている。ブリューゲルはバベルの塔をテーマとして、計3枚の絵を記している。1枚は紛失してしまったので、現存するのは2枚。
バベルの塔 油彩 60×74.5cm 1564年頃 ボイマンス・ファン・ビューニンゲン美術館バベルの塔 II

上の絵と区別する為に、The "Little" Tower of Babel と呼ばれる。こちらの方が、塔はより完成に近い。しかし上空にある黒雲が、暗い未来を暗示している。バベルとはバビロンの事であり、古代メソポタミアの中心都市に塔があったとされている。モデルとなったのは、ジッグラト(Zigglat)と呼ばれる神殿。大きいもので高さは90mに達したとされている。下の写真は紀元前22~21世紀頃、ウル(現在のイラク)に建てられたもの。現在は一部のみ復元されている。
ウルのジッグラトとその復元予想図ジッグラト

他のジッグラトについても言えることだが、上から見ると方形になっていた。ブリューゲルの絵が丸みを帯びているのは、彼が若い時に訪れたイタリアのコロッセオの影響と言われている。また描かれた帆船や建設機械は、いずれもブリューゲルが生きた16世紀のものである。なぜ彼は古代ではなく、最新の技術で描いたのだろうか。
それは、彼の住むアントワープの社会情勢があった。当時ヨーロッパ屈指の貿易港だったこの街は各国の商人が大勢訪れ、多数の言語が飛び交っていた。「なぜ多くの言語が存在するのか」という人々の問いに対し、答えになるのがバベルの塔の話だった。また宗教改革の影響でカトリックとプロテスタントの対立が激化していて、特に権力者側にあったカトリックはプロテスタントを厳しく弾圧していた。その混乱している社会に対し、「バベルの塔の時のような愚かな真似をしていけない」という警告をも込めて、ブリューゲルは絵を描いていたようだ。(残念ながら彼の願い虚しく、後にネーデルランドはプロテスタントのオランダとカトリックのベルギーとに分離する)。他には、神話やことわざをモチーフにした絵が16世紀の欧州で流行していた、という影響も考えられる。

このバベルの塔というのは西洋において大きなテーマで、時代によってまた画家によって描かれる絵はかなり違う。色々と研究もされているようで、海外のHPを見ると様々な説が書かれてあり興味深い。またタロットカードの16番「塔」は、バベルの塔がモデルのようだ。カードの意味はこちら
         グスタフ・ドーレ作 1866年        タロットNo.16 The Tower
バベルの塔 III

横山光輝(1934-2004)が描いた漫画『バビル2世』のバビルとは、バベルの事。バビルの塔と「バビル」の名を引き継いだ主人公・古見浩一が、3つの僕(しもべ)の力を借りて超能力で敵(ヨミ)と戦う物語。バビルの塔にはコンピュータがあり、砂嵐を起こして自身を守る力がある。バビルの地位を引き継ぐものには3つのしもべ(黒豹の姿をしており、自由に変身することができるロデム、空を飛ぶことができる金色の鳥型ロボット・ロプロス、海中で自由に戦うことができる巨大ロボット・ポセイドン)が従う。その中で1番活躍するのはロデムである。
横山光輝 『バビル2世』
バビル2世
またナムコがファミコンソフトの第16弾として、1986年に『バベルの塔』を発売した。中身はパズルゲーム。ステージは表裏合わせて128面。単純なルールながら、難易度は非常に高い。私は全然クリアできなかった。
バベルの塔 (ナムコ 1986年 ファミリーコンピュータ)
バベルの塔(ナムコ)

辞書でバベルの塔を引くと、上述した内容の他に「空想的で実現不可能な計画」という意味がある。技術が発展した現代において、高層建築はその中に含まれないだろう。あるいは宇宙飛行や遺伝子研究といった分野が、そうかもしれない。それらは既に「人としての領域を超えている」という声もある。人類が追い求めるその先に、再び大いなる混乱は起きるのだろうか。そうなる可能性は、決して低くはない。
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■コメント
1Kate☆1
- 2005/06/12 16:01
人間は全知全能ではない。コレ、皆知っていること。でも、頭の隅に忘れていること。 人間は、人間の領域を忘れてはならない。宇宙、地球、自然の中で生かされてるのだ。生きたくても生き延びれない人間がいる。人間は所詮 人間なんだ。 自分の中で造り始めていたバベルの塔に、気付かされた気がします。

★ご無沙汰しております。人間は、知らないうちに自分の事を過信してしまう生き物かもしれません。誰かの助けを当たり前と思ったり、良い状態がいつまでも続くと考えたり。自分たちの分相応を考えるべきかもしれないですね。

eryce - 2005/06/12 16:03
おみやげの”バベルの塔”のポスター素敵ですね 禁断の実を食べてしまった人間バベルの塔でさらなる 神の国から距離をおかれてしまったのですねタロットカードのTOWERが持つ意味とその絵柄が旧約聖書の内容とも重なり興味深いですね。 さらなる混乱を回避するために人類は何が出来るのでしょうかね!?

★こちらの記事にもコメントくださり、ありがとうございます。ポスターは実際に絵が展示されている美術館で買ってきてくれました。日本で手に入れる事も出来るでしょうが、本場という気がしますね(笑)。 なぜ神が怒ったか、については色々と説があるみたいですね。「世界各地に分かれて住むように指示したのに、従わなかったから」というのもあります。 タロットカードの絵柄について知ってはいたのですが、バベルの塔との関連には気づいていませんでした。調べてみるものです。今の時代にも、教訓として伝わっているのですね。

Takahara_Mikako - 2005/06/13 0:44
ひひひ。フランダースの犬とか、ブリューゲルとか、ガチャピンさんの志向がちょっとだけわかったよな気が…。 印象派はあまり好まないのですが、ルーベンスやレンブラントは好きです。っていうか、それくらいしか知らないからなのですが。

★「ひひひ」とは、また下卑た笑い方をしますね~。まぁ、そんなところが素敵なんですけど。私の嗜好がわかりますか?でも『フランダースの犬』の話は、そんなに好きではないですよ。印象に残ってはいますけどね。 印象派を好む日本人女性は多いみたいですが、私もMikakoさん同様好きじゃないです。ルーベンスも基本的に苦手なんですよ。レンブラントはまずまず好きですね。

Takahara_Mikako - 2005/06/14 0:58
嗜好というか志向というか。単純に、ベネルクス系が好きなのかなー?と思ってしまいました。 カルヴァンとかフランドルとか、詳細はよく分からないのですが、あっち系は、ちょっと美的感覚が一癖あるような感じで、奥深さを感じています。 うひひ。(しつこい)

★ あ~、なるほど。そういう事でしたか。確かにそう括ればつながりますね。ブリューゲル、ルーベンス、『フランダースの犬』と、全てアントワープに縁がありますし。あそこらへんの地域に、何か惹かれるものがあるんですかね。 うへへ、お見それしました。

探偵 - 2005/06/13 0:44
こんばんは。ポスターかっこいいですね~バベルの塔ですか。幼いときに「天地創造」という映画を観たときに衝撃を受けました。 バビル2世は、ちゃんと観たことがないんですけど、ゲームの方はちょこっとやったことがあります。そうそう!かなり難易度高かったですね~。当時のパズルは「ソロモンの鍵」とか難しいパズルゲームがたくさんありましたね。。。

★天地創造について調べてみましたが、1966年に公開された作品で、旧約聖書をもとにした話だったようですね。テレビでご覧になったのでしょうか? おっしゃる通りパズルゲームは色々ありましたね。『ソロモンの鍵』も相当難しいゲームでした。

夏水★なつみ★ - 2005/06/14 17:54
こんにちは^^ バベルの塔・・・。どこかで聞いたことがあったような・・・。写真を見て、「天空の城ラピュタ」を思い出してしまいました^^

★有名な話ですから、聞かれた事があるのかもしれませんね。おっしゃる通り、この絵は『天空の城ラピュタ』のモデルの1つ、とされています。デザインの参考にしたみたいですよ。

Birigian - 2005/06/15 0:39
バビルの塔と云うと、まっ先に「バビル2世」が出て来てしまいました。それもちゃんと記事にしてある辺り、流石ガチャピンさん、抜け目無いやと思いました。バビル2世、歌はしっかり覚えてるんですが、内容はうろ覚えです。 バベルの塔の絵はやはり「崩壊」のイメージが強いので、あんまり飾りたくは無い感じです(笑)

★真っ先に『バビル2世』を思い浮かべる当たり、さすがBirigianさんと言いたくなりますね(笑)私は原作を全部読みました。塔の役割は秘密基地で、外見は特に変哲もない形をしていた気がします。 この絵の素晴らしさは細部までの書き込みにあるので、大きいサイズじゃないとよくわからないんですよね。だから、ポスターはいいと思いますよ。

☆Alice☆ - 2005/06/15 16:56
はぁ…いぃなぁ…美術館。。。ルーブル美術館展が横浜でやっているとゆぅのに始まる前から楽しみにしていたのに気付けば、もぅ残りも僅かになってきてしまぃました。私の周囲に美術館に行きたがる人なんて母くらいなので母の都合にも合ゎせなぃと…。展示されている絵画の下調べもしっっ。。。 バベルの塔の伝説、塔のカードの意味とても興味深かったです。現代でも十分に通用する話だと思いました。物事に、侵してはイケナィ領域は存在しますし。 こぅやって背景を知ってぃるのと知らなぃのとでは同じ絵画でも違って見ぇますねぇ。

★私も美術館は長い事行ってないですねー。横浜のルーブル展は、近々行くつもりですよ。 Aliceさんも行かれるといいですね。アングルの作品については、私の記事を読めば足りると思いますよ。一緒に行ったら、ガイドができるかもしれません(笑)。 確かに作品に対する知識があるのとないのとでは、見方も違ってきますね。調べているうちに思わぬ事がわかったりして、面白いですよ。これも勉強する楽しみってやつですね。
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