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切腹への疑問

あなたは人目のお客様です。

先に記した刀と言葉で登場した、日本刀。その日本刀から連想するものといえば、武士。そして私が武士についてかねがね抱いていたのが、切腹に関する疑問だった。というわけで、今回は切腹について調べてみた。

◇ なぜ切るのが腹なのか
根本的な疑問である。別に腹じゃなくていいではないか、という気もする。それに対して「腹部を切ることは、そこに霊魂と愛情の宿っているという古代の解剖学的信仰に由来する」という説がある。これを唱えたのは、先の5千円札の肖像として知られる新渡戸稲造。明治33年(1900)に発行した著書『Bushido: The Soul of Japan(武士道)』のなかで、そう指摘している。根拠についてはよくわからないが、確かに「腹を立てる」「腹を割って話す」などの慣用句が示す通り、「腹=心や考え」という意味もある。自らの心に刃を突き立てる、という行為が、誇りを持った死と捉えられていたのかもしれない。

◇ その誕生
切腹が誕生したのは平安中期と言われている。末期の源平合戦の頃には大流行していた(源義経の最期も切腹)。そして鎌倉時代になると、武士の自殺の方法として定着するようになった。だがそのやり方は様々であり、むごたらしい死に様になる事も多かった。それが変わるのは、江戸時代になってからである。

◇ 刑としての切腹
江戸時代になって、切腹が処刑方法として確立された。ここでのポイントは2つ。1つは、士分以上の者にしか適用されなかった事(つまり、農工商などは除く)。もう1つは、切腹と言っても結局首を斬られてしまうことである。だが、切腹と斬首は明確に区別された。
 切腹=自ら死を選ぶという事で、名誉は守られる。 
 斬首=恥さらし。一族郎党に迷惑がかかる。

つまり、『暴れん坊将軍』で「潔く腹を切れ」と言っているのは、温情を示しているということになる。いわゆる武士の情け、である。今でいう依願退職と懲戒免職の違いだろうか。ちなみに「仕事を首になる」という言葉がこの斬首からきている事は、言うまでもない。

◇ 介錯人
切腹でも首を斬られる理由については、人間腹を切っただけではすぐに死なないからである。自分で頚動脈を切れれば良かったが、独りでは難しい場合もある。苦しんでいる人間を楽にしてやりたい、という周囲の気持ちもあった。ここで介錯人(かいしゃくにん)が登場する。受刑者が台に置かれた小刀で腹を切った後に、背後から首へ刀を振り下ろす役割を担った。しかし、その斬るタイミングがだんだん変わってくる。小刀が腹に触れるか触れないかだったり、受刑者が台に手を伸ばした時だったりした。また受刑者が怖気づいたり命乞いをした時は、そのまま首を斬った。こうなると切腹という体裁があるだけで、実際はただの打ち首である。
刀で首を斬るには、骨と骨の間を狙う必要がある。介錯人には高い技量が求められた。しかし平和な時代が続くと人を斬った事のない人間が多く、江戸には代々続く介錯の専門家がいたようである(山田浅右衛門が有名)。また後には腹を切るのが嫌な人が増えたせいか、小刀の代わりに扇子が用いられた。扇子が腹に当てられた時が合図、というわけである(これを扇子腹という)。『忠臣蔵』で知られる赤穂浪士の中には、そうして斬られた者もいたらしい。処刑法といえば、西洋で有名なのがギロチン。あちらも受刑者の苦しみを和らげる為に発案された。

◇ 切腹する理由
・大失敗を犯した時
これが最も多い。藩主から沙汰が下されて、腹を切る。もしくは処分が決まる前に自らの意志で割腹する。それによって武士としての面目を守ったり、家の断絶を免れたりするのである。中には本人が切腹する気はなくとも、親類縁者が相談して切腹を強いる事もあった。これを詰腹(つめばら)という(「問い詰めて切腹をさせる」からか)。現在でも仕事で強制的に責任を取らされたり、辞職させられる事を「詰腹を切らされる」という。
また藩が外聞をはばかって表向きは「遠島(島流し)」にしながら、内心は「切腹して欲しい」と考えるような場合もあった。こういう時は藩が親類などを呼びつけ、「こういう事情なので、よく考えて行動するように」と話す。こうなった時も、結果として切腹を迫られる。抵抗した場合は親族達が殺してしまったらしい。この場合の殺人は不問にされ、「藩は遠島に処したものの本人の反省が深く、自ら腹を切るに至った」と公表されたという。結構ひどい話だ。

・殉死
当時は追い腹といい、江戸時代初期にはよく見られた。1人の大名が死ぬと少なくとも数名、多い時は20人近くが主君の後を追った。忠義心から行った者もいれば、男色関係(ホモ)にあった者が悲しんで腹を切った事もあったという。また、切腹しないと不忠者・臆病者と罵られる風潮が強かった。その為、世間体の為に渋々腹を切った人間も少なくなった。3代将軍家光が亡くなった際、重臣であった知恵伊豆こと松平信綱は切腹しなかったので、大いに非難を浴びた。ただこの追い腹は、天和2年(1682)に武家諸法度で禁止された。人材が失われる事を恐れた為、と思われる。

◇ 明治以降の話
明治3年(1870)、「新律綱領」で士族に対して「自裁」という切腹刑が定められた。しかし、これはその3年後に廃止になっている。この時点で日本において、公的な切腹はなくなった。しかし切腹に象徴される武士道の「名誉ある死」の概念は受け継がれ、いわゆる「生きて虜囚の辱め(はずかしめ)を受けず」という思想が、軍隊を中心に浸透する事になる。これによって戦争中捕虜になる事を辞さず、自ら命を断つ軍人・民間人が多かった。実に悲しく、残念な話である。
個人の切腹として印象深いのは、乃木希典(のぎまれすけ)。明治を代表する軍人であった彼は、明治天皇が死去した大正元年(1912)に自刃している。これは前述した追い腹であり、国粋主義者からは支持された。その一方で、時代遅れという声もあったようである。時代は大正デモクラシーを迎えつつある頃であった。
昭和になると、三島由紀夫が思い浮かぶ。昭和45年(1970)、東京は市ヶ谷。彼は陸上自衛隊隊員に対し、国を変える為の決起を促した。しかしその返答は野次と嘲笑であり、三島はその後切腹して果てる(この時一緒にいた人間が介錯を行ったが、3回失敗している)。切腹というのは、どうも右翼思想に結びつく傾向が強い。

切腹は海外にはharakiriとして紹介されている。ロングマン現代アメリカ英語辞典では
harakiri : a way of killing yourself by cutting open your stomach, used in past times in Japan to avoid losing honor.
となっている。切腹ではなく腹切りとして伝わった理由は、「切腹の時に用いる小刀を腹切り刀と言っていたから」という説がある。しかし、いつ伝わったのかは不明。

現在はテレビでギター侍を観た時くらいしか聞かない言葉、切腹。しかしその背後にはこのような歴史があったのである。
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■コメント
探偵
- 2005/04/24 21:32
こんばんは。毎回、勉強になる記事ですけど今回はハラキリですかぁ~。これも結構奥が深いんですねぇ。「腹=心や考え」とは。。。そんな意味があったとは・・・いやいや勉強になりました。。。三島由紀夫のアノ事件。私はまだ生まれてないので、ドキュメンタリー番組で観たんですけど、衝撃的でしたねぇ。。。・・・私は詰腹を切らされないように気をつけます・・・(汗)

★「勉強になる」と言っていただけて光栄ですが、えらく狭い層にしか受け入れられない話ですよね…。「腹=心や考え」というのは広辞苑に載っている説明ですが、それを切腹と結びつけるのは私の解釈です。ですから、合っているかどうかはわかりません(^^;) 三島由紀夫の死は当時かなりの騒ぎになったようです。割と最近の事なので、色々と資料が見つかりますね。確かに詰腹は切りたくないもんです。

Mayor_Ohta - 2005/04/25 1:45
アメリカ人の友達が、LastSamuraiを見た後に、「みた?あの切腹のシーン?自分には絶対考えられん。おかしい・・・・・自分で自分のお腹をきるなんて・・・」なんてボヤイてたのを思い出しました。確かに、なんでお腹なのか不思議でした。でも、なるほど・・・。奥が深いですね。

★確かに『Last Samurai』で腹を切るシーンはあった気がします。切腹について知らない人は驚くでしょうねー。切る場所が腹である理由について、今回わかったのはあのくらいです。あるいは他に理由があったのかもしれませんが。なぜ日本独自のものなのかは、引っかかるんですけどね…。

いっせい - 2005/04/25 9:20
関東のうなぎの蒲焼で 背開きなのは 腹開きだと切腹をイメージするからのようですね。一方関西は 関西人が合理主義なのか、背開きのほうが、楽? ってか 別に気にせず腹開きのようです

★おお、そうなんだ。そいつは知らなかった。ちょっと調べてみたら、面白い事がわかったよ。以下は江戸末期に創業した料理屋、銀座・竹葉亭(ちくようてい)の店主別府克己氏の話。> 関東は武家社会なので、切腹を嫌って背開き、関西は商家が多いので、腹を> 割って商いをすることから腹開きにしたといわれます。実のところは、川の流れの> 速度によるものらしいのです。関東のうなぎはゆるやかな流れの川で育つので、> 川魚特有の匂いが強く、背の皮も硬いのですね。それで、関東では背開きに> して竹串に刺し、白焼きにしてから蒸してタレをつけて焼きます。関西では蒸さ> ずにタレをつけて焼きます。
おかげでいい勉強になったよ。ありがとう。

いっせい - 2005/04/26 13:18
いや~ 俺のアヤフヤなしったかを追加で調べてもらって感謝です。そっか~関西では、腹をわって話をする から 腹開きが主流になったんですね。。。 おれこそ勉強なったよ ありがとう うどん そばは関西風が好きですが、こっちに来てウナギは関東風が好きになりました。

★俺もうどんは関西風が好きだな。うなぎはどうだろう?今まで意識した事がなかった。

ハム - 2005/04/25 18:17
へ~ボタンあったら押しまくり。笑 外人さんには確かによく聞かれますよね。なんでお腹なん?って。そういう理由だったんですね~ (さ~?って答えてましたから・・) 打ち首ね、難しいやろな~っておもってたんですよ。刀よく切れるかも知れんけど、さすがに骨までスパーンと一振りで切るの難しかったやろな~って。そっか~腕の良い人が骨の間ね。なるほど。でも、介錯人もせっかちな人がいるのにちょっと笑ってしまった。 いや~何時もながらすんばらしい!勉強なりました。(刀好きの友達に話そうかと思ったけど憧れたら困るからあえてしません。あはっ☆)

★「へ~ボタン」ですか。ブログに取り付けられたらいいですねー(笑) 外国人によく訊かれるんですか。確かに不思議でしょうね。まぁ日本人でも考えた事のない人は多いと思います。「そういうもんなんやろ」で片づけてしまえば、それまでですし。介錯人の斬るタイミングが早くなった事については…せっかちという事もあったかもしれませんが…恐らく切腹という行為が形骸化していったのだと思います。必要だったのは切腹という名目で、実際に腹を切る事は重視されなくなったんじゃないか、と推測します。刀好きの友達に話す時は、「すっごく痛くて苦しいからね」と付け加えておけば大丈夫じゃないですか(^^;)

Birigian - 2005/04/25 21:27
今回も勉強になりました。当時の医療技術では、内臓傷付けたら手の施し様が無く(壊死するらしい)ほっといてもほぼ確実に死ねたから、の自殺手段なのかと思ってました。でも、へたに苦しむより頚動脈切った方が手軽ですもんね。腹圧で腸が飛び出しそうなの考えるだけで腹がむずむず気色悪い。 (ブラックな事を云ってるわ…) 腹に心、かぁ。そう云う思想があったから、なんですねー。

★ふふふ、またハッキリと書いてくれましたね(^^;) でも、おっしゃる通りです。ただ自殺するだけなら、他にも方法があるんで。切腹というのは、武士の美学という事だったのでしょう。

☆Alice☆ - 2005/04/25 23:43
自分でお腹を切り裂いて悶え苦しむ… なんて、氷で冷やしても安全ピンでピァスを開ける時スッゴク痛かった私には考えられません。惨めに生きるのなら、美しく散る… なんて美学を持っているのは構わないけど決して美しくないと思ったり。。。だって内臓が(T△T) 時々、介錯人が失敗して『あっ!ヤベッ…』って事あったみたいですね。でも、骨と骨の間をキレィにスパッとはそれなりの技量がなぃと出来ないんでしょうねぇ。それにしても介錯人の専門家って普段は何をしている人なのでしょう??毎日、人を斬るわけにはいきませんょね?? 今日も勉強させてもらっちゃいましたぁm(u_u)m

★今回は痛そうな内容ですみません(^^;) 確かにピアスの穴を開ける時とは、比較にならないでしょうねぇ。想像しすぎない方がいいですよ。介錯の専門家、というのは幕府にはお抱えの代々続いている家があったようです。藩の場合だと優れた剣術の持ち主という事で、普段は道場で教えていたかもしれませんね。

QA - 2005/04/26 17:07
切腹は「死を超越している」ことを示すためだったとも聞いたことがあります。冤罪の武士が切腹する際に十文字に切ったり、3度横に切ったりして身の潔白を証明しようとすることもあったそうです。また、切腹し腸を自分で出しそれを見せることで自分は腹黒くないことを示す場合もあったそうです。切腹はもしかしたら良い制度だったのではないだろうか?そう思うことがあります。切腹したら許してくれるんですから。中国のように死んでも許さない文化と違い、死んだらみんな「仏様」になる日本の文化は好きです。原爆落とされたのにアメリカ大好きな日本人が好きです。日本には独特の文化があり切腹、丁髷などは外国からは理解のしにくいことだと思います。ヤクザの指を詰めるというのも理解しにくいことではないでしょうか?茶道、華道など外人が見たら「やりすぎ」ではないですかね。そんな良くわからない日本の文化が僕は好きです。特に好きなのは「粋」って言葉ですね。「Cool」とはまったく異なると思います。粋な人になりたいもんです。

★切腹とは「死を超越している事を示す為」、ですか。それは知りませんでした。腹の切り方には色々あったようで、その時代によって流行り廃りがあったみたいですね(QAさんの挙げられたものは、私も資料で確認しました)。あと、切腹については「死んだら清算される」という有効性は確かにありましたね。ヤクザが指を詰める事については、きっと発想としては同じでしょう。確かにそういった面は特殊な文化だと思います。それをQAさんが気に入っている事は、よく伝わってきますよ(笑) 粋という言葉は、私も非常に気に入ってます。英訳するのは難しい言葉かもしれませんね。なるべく野暮にはなりたくないと思います。

なー姫 - 2005/04/27 13:31
密かに疑問に思っていたことが書かれていて、勉強になりました。介錯人が専門的に受け継がれるっていうのはTVでみました。難しそうですものね、あれは。。怯えて動く人もいるから切り損ねて余計に痛い思いをさせたりもするそうで。。 それにしてもそれが武士、と言われても、現代人にはやっぱり理解出来ない。外国人の方にはもっと理解できないだろうなぁ。。

★こんにちは。体の調子はもう大丈夫ですか?あまり無理をなさらないでくださいね。介錯の専門家について、TVで報じられていましたか。なるほど~。切腹というのは武士道の一環として確立されたものなので、武士道全体を勉強すれば理解できるのかもしれません。でも文化の全てについて理解する事が出来なくても、「どういうものだったか」知る事自体に意義があると、私は思います。

あっちん - 2005/04/28 4:08
はじめまして☆ コメントありがとうございました!以前コメントくださった時に、アタシもガチャピンさんのブログにコメントしようとしたんですけど、やり方がわからなくて‥wでも、今回、再チャレンジしたら、コメントの仕方がわかりました♪ これからも、遊びに来させてもらいます☆ ブログの内容と全然関係ない事ばかりかいてすみません(>_

★こちらこそコメントくださり、ありがとうございます。すいません、書き込むのが面倒なシステムでしてm(_ _)m Hotmailやメッセンジャーを使った時に覗いていただければ幸いです。全然謝る事ないですから、大丈夫ですよ。私からもブログお邪魔させていただきますね。
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