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木村元彦【オシムの言葉】

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木村元彦【オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える】 オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える

 価格:1680円 出版社:集英社インターナショナル

 単行本:238p 初版:2005年12月

 評価:90点

前J1ジェフユナイテッド市原・千葉の監督であるイビチャ・オシムについての本。次期日本代表監督への就任が内定した事で、最近話題の1冊である。よく誤解される事だが、この本=オシム語録ではない。オシム語録とは、ジェフ千葉がクラブのHPで彼の発言をピックアップしたものを指す(こちらのサイト

オシムがなぜ評価されるのか。それはJ1クラブで観客動員数とクラブ予算が最低、リーグ順位では下位が当たり前のジェフ千葉をトップグループに引き上げた事である。また何人もの主力選手が移籍しても効果的に若手や外国人を起用し、チーム力を維持するよう努めている。2005年にはJリーグ杯で優勝し、クラブに初めてのタイトルをもたらした。その能力はこれまでJリーグを戦った監督の中でも最高クラスと言っていい。

もちろん本書でもジェフ千葉での仕事について触れられているが、メインなっているのは「監督としてどういう仕事をしてきたか」「どんな人生を歩んできたか」という事である。サッカー解説書ではなく、ドキュメンタリーの色合いが濃い。とりわけ印象に残るのは、紛争を経て解体された故国ユーゴスラビア連邦(以下ユーゴ)についてである。

1941年、サラエボ(現ボスニア・ヘルツェゴビナの首都)に生まれたオシムは、19歳の時にプロ選手となる。ユーゴ代表として64年の東京五輪、68年欧州選手権イタリア大会に出場。37歳で現役を退き、コーチの道へ進む。そしてユーゴ代表監督となったのは88年、47歳の時だった。「東欧のブラジル」といわれるこの国で、とりわけ選手が豊作だった80年代。しかし政治的な民族対立が激しく、代表監督を努めるのが非常に難しい時期だった。90年イタリアW杯でベスト8となるが、翌年にはスロベニアとクロアチアが連邦から離脱。紛争が始まった。

92年、ボスニア・ヘルツェゴビナの連邦離脱を受けて、ユーゴ軍がサラエボに侵攻。ここにはオシムの自宅があった。本人はその直前に仕事でベオグラード入りをしており、一緒にいた次男と共に難を逃れる。ただサラエボはセルビア人勢力によって包囲され、残っていた夫人と長女が取り残された。離ればなれになったオシム家が再会するのは、その2年後である。しかし彼らはまだ運が良かった。サラエボは95年までボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の激戦地であり、1万人以上の市民が犠牲となったのだから。

奥に見えるのがオリンピック・スタジアム。現在墓はサラエボ郊外に移されている当時がいかに悲惨だったか、それを物語る1枚の写真が本書に収められている。写っているのはサラエボの競技場----84年の冬季五輪でメインスタジアムとなった場所である。グラウンドにあるのはたくさんの墓石。「平和の祭典」の舞台が争いによって破壊され、巨大な墓地と化していた。(※右写真は現在の状況。墓は郊外に移されている。奥に見えるのがオリンピック・スタジアム)

オシムは92年に代表監督を辞任。その後パナシナイコス(ギリシャ)で2年、シュトルム・グラーツ(オーストリア)で9年指揮を執った。そして2003年に来日し、ジェフ市原の監督となったわけである。様々な人々の証言によって、彼がどういう指導を行ってきたか窺える。教えを受けた選手の中で「オシムこそ最高の監督だ」と言う者は多い。かつて名古屋グランパスでプレーした、「ピクシー」ことドラガン・ストイコビッチもその1人である。必ずしも全ての選手に慕われたわけではない。しかし、ベンチで過ごした選手も「自分には合わないが、いい監督だという事は認める」と話す。他の監督とどこが違うのか?それは、読んだあなたが考えて欲しい。

ただユーゴ及びそのサッカーについて全く知らないと、わかりにくい部分はあるかと思う。足りない知識を補う努力は、必要かもしれない。著者はこれまでに【誇り―ドラガン・ストイコビッチの軌跡】【悪者見参―ユーゴスラビアサッカー戦記】などで、この地域を取り上げてきた。丹念な取材には定評があり、内容はサッカーだけに留まらない。本書で興味を持たれた方は、併せて読む事をお薦めしたい。

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