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村上春樹【色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年】

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村上春樹【色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年】 単行本:376ページ 価格:1785円
 出版社:文藝春秋 初版:2013年4月12日

  評価:40点

内容(「BOOK」データベースより)
良いニュースと悪いニュースがある。多崎つくるにとって駅をつくることは、心を世界につなぎとめておくための営みだった。あるポイントまでは…。
----------------------------
人気作家・村上春樹の長編小説。毎年のように「ノーベル文学賞受賞か?」と(少なくとも日本では)報じられている彼の人気は、本の売れない時代でも健在である。この作品は2013年のベストセラーランキングで必ずや上位に入ることだろう。個人的には前作【1Q84】 BOOK1、2そしてBOOK3は面白い試みだったと思う。ただ、この作品は良くも悪くも昔の村上春樹っぽい内容である。

 <以下ネタバレ全開なので、これから読もうとしている人は注意>
まず、タイトルの意味について。多崎(たざき)つくる、これは主人公である。本人はひらがな表記を好んでいるが、本名は「作」という漢字を宛てる。36歳男性、鉄道会社で駅の設計に関わる仕事をしている。東京在住、独身。

「色彩を持たない」の意味は、彼が高校時代に仲良くしていた5人組で、彼以外は苗字に赤・青・白・黒が入っていたことに由来している。また学生時代の友人の苗字に「灰」が含まれているのだが、こういった設定が藤巻忠俊【黒子のバスケ】に影響されたかどうかは不明である。そして主人公は「自分は取り立てて特徴のない人間だ」と考えており、そういった2つの意味で「色彩を持たない」ということを示している。最後に「巡礼の年」とは作中に登場する曲のタイトルであり、主人公の行動を表している模様。

話の中心は、5人組を巡る過去にある。彼らは名古屋の同じ高校で学び、とても仲の良いグループだった。高校卒業後、主人公だけ東京の大学に進学したが、名古屋へは頻繁に戻り、皆で仲良くしていた。しかし20歳の時、主人公はわけもわからず他の4人から一方的に拒絶されてしまい、交流が絶たれた。それは主人公にとってものすごくショックで、自殺も考えたが死ねなかった。その謎を16年後の今になって調べようとする。これが本筋である。

うーん、無理があるような…。学生時代にムカつくことや悲しいことは、誰しもあるだろう。ただ、社会人として生きてきて36歳にもなれば、全てひっくるめて思い出や記憶。それほど気になるものだろうか。それに主人公は自己評価こそ低いが、周囲の見方はそれほど悪くはない。「物静かで賢くてハンサム」という声もある。人との交流に興味がないくせに、同級生とか同僚に勧められて3人の女性と交際したけど、皆と円満に別れている。むしろ充実しているのではあるまいか。今の自分の生活に目を向けていればいいのに。

やがて明かされる、主人公が拒絶された理由。それは彼らが20歳の時、5人組にいたヒロイン的存在の白(ピアノ好きで清楚な美人)がレイプされ、その相手が間違いなく主人公だと、白が主張したから。本人がどのように犯されたか克明に語り、他の人は信じざるを得なかった、というもの。
暗い話である。それにしても、主人公を問いただすことも弁明の機会も与えることなく一方的に加害者と決め付け、グループから排除する。バカなんでしょうか、こいつらは。拒絶された主人公も、理由を深く追求することなく受け入れていることに納得がいかない。

主人公は無実である。ただ、白が何者かにレイプされたのは事実らしく、彼女は妊娠していた。後に流産したが、相手が誰だったのかは最後まで不明。誰も探す努力をしないことは不可解である。以降、心身の調子を崩した白は、30歳に浜松で何者かに絞殺されて死亡。その犯人は捕まっていない。
白の心がいつからおかしくなっていたか、明らかになっていない。そして殺した犯人が捕まっていないとか、静岡県警も随分と無能扱いされたものだ。犯罪要素を作中に取り込みながら、色々と救いがない。

主人公が過去を調べようと思ったのは、2歳年上のガールフレンド沙羅からの助言によるものである。「仕事のできるいい女」っぽいイメージの彼女に対し、最終的に主人公は結婚を申し込もうと考える。ただ、彼女は50過ぎの金持ってそうな男とも付き合っている模様。遊ぶにはいいかもしれないが、どうなんだそういう女は…。彼女と真剣に話をしようとする前日で、作品は終わる。

舞台は現代だが、色々と設定が古臭い。主人公は携帯を「電話をかける」以外に使わない。また、かける先は固定電話である。今の時代、普通逆ではあるまいか?メールは「コンピュータ」から送るけど、TwitterやFacebookは全くやらないし、SNSに縁がない。Googleなどを使うことにも疎い。全体的に1998年あたりの感覚である。好意的にいえば村上春樹流のファンタジーの世界なのだが、リアリティに乏しい点が読んでいて辛い。まともに働いている社会人が、午前4時に誰かの家に電話をかけるだろうか。作者の描くおしゃれな世界は、1970年代や80年代だからこそ成立したのかもしれない。あるいは読んでいるこちらが、大人になりすぎたのか。(読了日:2013年8月12日)
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