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ジェラルディン・ブルックス【古書の来歴】

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ジェラルディン・ブルックス【古書の来歴】  Geraldine Brooks "People of the Book"
 翻訳:森嶋マリ
 単行本:508ページ 価格:2415円
 出版社:武田ランダムハウスジャパン
 初版:2010年1月21日
 第2回翻訳ミステリー大賞

  評価:80点

ハガダー(ハガッダー)と呼ばれる本がある。ユダヤ教の「過越しの祭り」で使われるヘブライ語で祈りや詩篇が書かれた書である。実在する最古のものと言われるのが「サラエボ・ハガダー」で、14世紀後半にスペインで作られたものと見られる。ハガダーとしては珍しく、美しく彩色された細密画が多数描かれていることが特長の稀覯(きこう)本。19世紀末から約100年間行方知れずになっていたハガダーが見つかり、その鑑定を依頼された専門家ハンナがサラエボに降り立つところから、物語は始まる。

主人公は古書修復・鑑定家であるオーストラリア人女性だが、彼女の鑑定を軸に誰がハガダーを作り、どのような人々が手にしてきたか読者に提示されていく。主人公は、いわば狂言回しの立場である。ハガダーにまつわる逸話はフィクションだが、「本当にそういうことがあったかもしれない」と感じさせる内容である。

サラエボ・ハガダーユーゴスラビアの独立と紛争、ナチスドイツの政策、ユダヤ人への迫害、キリスト教の焚書、異端審問、スペインの国土回復運動、キリスト教・イスラム教・ユダヤ教の調和と対立…そういった内容を下敷きとしたエピソードはどれも緻密で、考えさせられる。読者の知性と教養が試される1冊と言えるだろう。読んでいて、静かな感動が沸き上がってくる瞬間があった。「古書の来歴」という邦題は、とてもいい。

余談だが、本作は第2回翻訳ミステリー大賞を受賞。2011年4月20日に行われた授賞式の模様は、Ustreamで観た。候補作5つのうち、ボストン・テラン【音もなく少女は】ルイス・ベイヤード【陸軍士官学校の死】デイヴィッド・ベニオフ【卵をめぐる祖父の戦争】ドン・ウィンズロウ【フランキー・マシーンの冬】の4つを読んでいて、私は【卵をめぐる祖父の戦争】の受賞を予想していた。

しかし、蓋を開けてみると【古書の来歴】が58票中27票を獲得して、ぶっちぎりの1位。で、果たしてどれほどのものか読んでみる気になった。実際読み終えてみて、「本好き」か「翻訳者」ならこの本を選ぶかな、と思った。訳はこなれている印象を受けたし、必要以上に注釈をつけない点にも好感を抱いた。けれど、私の中では1位ではなかった。 (読了日:2011年4月25日)

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